
ある男の子との出会いが、
私の家づくりの信念を
つくりました。
優しさの原点

私には、どうしても叶えたい願いがあります。
それは、子どもたちが健やかに成長し、心からの笑顔で過ごせること。
しかし、私たちが暮らす宮崎県は、寒暖差が激しく、
家づくりには決してやさしくない環境とも言われています。
それでも私は、この土地で“本当にいい家”をつくりたいと、
昼夜を問わず素材や工法を探し続けてきました。
国内外、必要とあらばどこへでも足を運び、
ただひとつの問いを追いかけてきたのです。
「心と身体に優しい家とは、何か?」
「ごめんね、
健康に産んであげられなくて。」
その言葉が、
すべてを変えた。

その問いに本当の意味で向き合うきっかけをくれたのが、
ひとりの男の子との出会いでした。
彼は、重度のアレルギーと小児ぜんそくを抱えていました。
強い薬、貼り薬、制限された食事、終わりの見えない病院通い。
我が子の肌を見ては、ご両親はこう言ったそうです。
「ごめんね、健康に産んであげられなくて。」
その言葉は、今でも私の胸に深く残っています。
優しさは、
目に見えないところにある

ある日、そのご家族がリブハウジングを訪ねてきました。
お話を伺ううちに、私は思いました。
この子の症状はもしかしたら、「家」にも原因があるのではないか、と。
家は、家族がもっとも長い時間を過ごす場所です。
その空気、素材、見えない化学物質が、
もしかしたら…と考えたご両親は、
“すべて自然素材でつくる家”を求めて私たちに託してくれました。
そして半年後。ツヤのなかった肌に、柔らかさが戻り、
笑顔が戻ってきたのです。
ご両親の笑顔も、また自然とあふれていました。
「優しい家」の答えに、
たどり着いた日

「ただ住む場所を変えただけで、こんなにも人生が変わるのか」
私はそのとき、家という存在の“本当の価値”を知りました。
それは、快適さやデザイン性を超えた、命と心を守る力。
今、その男の子は成人し、アレルギーに悩まされることなく、自分の道を歩んでいます。
そして、私は今でも変わらずにこう信じています。
家族の健康、
子どもたちの笑顔に
勝るものはない。

その笑顔を守るために。
私たちは、心と身体に優しい「本当にいい家」を、これからもつくり続けます。
