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優家現場レポート

2026/10/14

街に浮かぶ、静寂の邸宅。5つの設計美が織りなす住まい

目次

こんにちは! リブハウジング 設計を担当しています 花牟礼です。

少しずつ季節の移ろいを感じる今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

今回は、お施主様のご厚意により開催する完成見学会のお住まいをご紹介いたします。

テーマは、【街に対しては凛と美しく、内側には深い静けさを。】

設計の起点となったのは、北西の角地という開放性と南側に隣家が迫る敷地条件でした。

街に対しては端正な佇まいを示しながら、住まいの内側には外部の喧騒から距離を置いた静けさを確保する。

その両立を目指し、視線の制御・光の入り方・動線の構成・素材の選定をひとつひとつ検討しました。

今回は、その住まいに込められた設計思想と空間を構成する5つの設計美についてご紹介いたします。

設計美①:浮遊する壁。街の視線を奪う陰影のファサード。

北西の角地に建つ本邸において、最初に視線を引き付けられるのは地面から浮かび上がるように計画された西側の壁。

建物の足元に余白を設けることで、壁面がもたらす重厚感を保ちながら、外観全体に軽やかな印象を与えてくれます。

また、見る位置や時間帯によって異なる表情を示し、街並みに対して静かな存在感を形成します。

外壁には、手仕事の痕跡を感じさせる白漆喰と、質感の異なる重厚なタイルを採用。

素材の対比によって生まれる陰影は、日照の変化とともに移ろい、建物に豊かな表情を与えます。

装飾を加えることで目を引くのではなく、素材そのものの質と構成により美しさを成立させています。

設計美②:光を抱く、中庭のコートハウス。

住宅が密集する環境において、プライバシーと採鉱をいかに両立させるかは、住まいの質を左右する重要な課題です。

本邸ではその解決策として、住まいの中心に中庭を据えたコートハウス形式を採用。

外部に対しては開口部を慎重に制御し、周囲からの視線を抑制する。

一方で、中庭に面して開くことで自然光を建物の内部へ導く。

外部環境に左右されにくい、安定した明るさと開放感を確保するための構成です。

さらに、リビングの視線の先には坪庭を配置。

室内にいながら緑の存在を感じられるだけではなく、空間の知覚を豊かにする。

中庭と坪庭にはそのような役割を持たせています。

設計美③:美しい動線で、暮らしを変える。

玄関を入ると、ゆとりを備えたエントランスが広がります。

オープンシューズクロークを設け、家族用と来客用の動線分けることで、玄関まわりの秩序を保ちやすい構成に。

日常の動きが来客空間に過度に現れないため、住まい全体を整然と保つことができます。

この住まいでは、浴室・ランドリー・ファミリーWICを一直線に配置しました。

リビングへと続く廊下は、絵画や写真を展示するギャラリーとして計画。

単なる移動のための通路ではなく、歩みを進める過程で視線と意識を切り替える空間的な序章として位置づけています。

また帰宅後すぐに利用できる独立洗面や、寝室からのアクセスにも配慮した水回りの配置など、日常の動作を細やかに検証した動線計画を採用しています。

設計美④:余白を愉しむ、ジャパンディの美学。

LDKには、日本の簡素な美意識と、北欧の機能性・温かみを融合させた「ジャパンディ」の考え方を取り入れました。

漆喰の柔らかな質感、無垢の木がもたらす温もり、装飾を抑えた端正な構成。

素材の特性を尊重し、空間に余白を残すことで時間の経過とともに愛着が深まる住まいを目指しました。

キッチンは、LDK全体を見渡せる位置に配置。

手元を隠しながら十分な収納量を確保し、ダイニングを横並びにすることで、配膳や片付けの動作も効率化。

LDKの一角に設けた和室は、日常的にはリビングの延長として、来客時には独立した客間として利用できる可変性を備えています。

設計美⑤:家族をつなぐ、静かなシアター空間。

プライベートな寝室には、壁一面の造作本棚を設けました。

白漆喰の壁面は、素材の美しさを楽しむだけでなく、プロジェクターの映像を受け止めるスクリーンとしても機能。

照明を落とし、好きな映画や映像作品に向き合う時間は住まいの中に設けられた小さな劇場です。

子供部屋へ向かう動線は、必ずリビングを経由するように計画。

家族が自然と顔を合わせ、言葉を交わす機会が生まれるよう、動線そのものに家族のつながりを組み込みました。

それぞれのプライバシーを尊重しながら、互いの気配を感じられること。

個々の時間と家族の時間を対立させず、緩やかに共存させることを意図しました。

設計士からのメッセージ

写真では伝わらない、静寂な質を。

意匠性の背後にある、綿密な動線計画と居住性への配慮。

本邸には、素材の組み合わせ、視線の抜け、光の導入、空間同士のつながりなど、現地に立つことで初めて理解できる設計上の工夫が随所にあります。


お施主様の御厚意により、この素晴らしいお家を実際に体感していただける見学会の開催が決定いたしました。

図面や写真では捉えきれない空間の奥行き、時間帯によって変化する光の表情、素材が生み出す静かな存在感を、ぜひ現地にてご体感ください。

これから家づくりを始める方はもちろん、コートハウスやジャパンディの空間構成に関心をお持ちの方にも、ぜひご覧いただきたい住まいです。


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